読後感想文です。
井川意高(もとたか)著『熔ける』を読みました。
大王製紙会長にして、ギャンブルで100億円以上スり、特別背任で懲役4年を食らった方の「懺悔録」です。
私はギャンブルにまったく興味がないので、これまで井川氏にもあまり興味を抱いていませんでしたが、氏がクルマ好きで、拘置所の中からフェラーリを何台も注文し所有していたと聞き、遅まきながら、まずは最初の作品を読もうと思い立ちました。
本書には、「自分のギャンブル依存症は強迫気質から来るもので、勝っても負けてもやめられない」という旨の記述がありますが、我が身を振り返ると、自分はせいぜい「〆切依存症」で、常に〆切が強迫的に脳内にあるため、前倒し前倒しで書いてしまいたくなる傾向がある、というところでしょうか。小者でよかった……。
私の場合、フェラーリも、基本的に1台あれば十分です。
井川氏は、「ギャンブルをやっている時は、脳内に特別な快感物質があふれ返っている」と語りますが、私の場合、フェラーリのエンジンをブチ回している時は、特別な快感物質があふれ返ります。ただ、1か月か2か月に一度で十分満足できますし、眺めたり集めたりすることでは、あまり快感物質が出ないので、複数台持っていると、その分1台あたりの乗車回数が減るだけで、快楽はあまり増加しません。だから1台で十分なのです。器が小さくてよかった……。
井川氏は、大王製紙在職中、御曹司のプレッシャーなどのため、仕事が楽しいと思ったことは一度もないそうですが、私は原稿を書くのがたいてい楽しいです。クルマの原稿を趣味的に楽しく書いて、それでオマンマが食えるんですから、しみじみありがたい話です。
読み終わって感じたのは、「俺は本当にシアワセだ……」ということでした。自己満足で本当に申し訳ございません。
清水草一Facebook個人ページにて、そういち徒然草へのコメントをお待ちしております!