
キーをON位置までひねり、F40より一回りデカいボタンを押してスターターを回してエンジン始動。2本の針しか見えなかったインパネが、パーッと赤と黄色に浮かび上がる。まあキレイ。ウットリ。
今でこそノンパワステ・6速MTのF50は、相当クラシカルな存在だけど、それでもやっぱり未来から来たUFO的なるオーラを激しく放っている。
軽くブリッピングをかますと、フォーミュラ・ニッポンみたいなサウンド&レスポンスで「ダン!ダン!」とエンジンが吼える。フツーのブリッピングはブワーンブワーンだが、F50は「ダン!ダン!」。
やはりエンジンを直にボディにボルト止めしてあるダイレクトマウントというヤツは、本当に本物のピュアレーシングカーとイコールであって、快適性とは完璧に訣別している。それは脱水中の洗濯機の上に座っているようなもので、どんなにステキな内装や高価なシートを驕っていても、洗濯機の上は洗濯機の上なのだ。
40は市販車ベースのマシンであって一種のチューニングカーだけど、50は生まれながらのピュアレーシングカー。F50を公道で走らせる瞬間は、ただひたすら、本物のマシンが放つスーパーなオーラと、レーシングカーを公道で走らせる緊張感とでヘトヘトになる。
スペチアーレは運転するものに非ず。鑑賞するものなり! というのが、私が得たひとつの悟りである。










