MJアーカイブス

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日産 GT-R spec.V

日付/2009.11.24



 GT-Rのさらにスペシャルなグレード「スペックV」。
 ノーマルの861万円に対して700万円以上も高いが、見た目はほとんど変わりなし。これは痛い。700万も高くて一見同じじゃ買う方はツラすぎる! よく見りゃリヤウイングがカーボン製だったり、マフラーがチタン製で形状が違ったりするが、オタクにしか判別できない。スペックVの値段は、パッドとローターだけで470万円するカーボンセラミックブレーキなど、中身がすべてなのでした。
 しかもふたり乗り。リヤシートは形だけ残されているが「荷物を置くのも絶対禁止」と書いてあります。熱くなるからっつーことだけど、食べ物以外は置いてもいいんじゃ......。

 で、乗ってどうかというと、もともと気を失うくらい速かったクルマがさらに軽快になって、もはやテレパシー感覚で操れる。それがものすごくムダにゼイタクな感じで、確かにスーパーカーだこれは! 値段だけのことはあるぜ! GT-RスペックV超すげえ!

 しかしですね、さすがに見た目がほぼ同じで限定生産モデルでもなくて700万円高く、メンテ費用もバカ高(車検で約100万円)というのは買う方にはキツい条件で、このクルマ、まだ50台くらいっきゃ売れてない(※09年4月時点)。つーか、日本ではリーマンショック以来、GT-R自体の販売が激減していて、発売直後は月に1000台近く売れたのに、この4月なんざたったの31台! アチャー。ものすごい草食化。

 GT-Rが世界に誇るスーパーカーであることは間違いないが、このスペックVは商品力がなさすぎるな。やっぱノーマルの倍するんなら、せめて見た目を差別化して、馬力を上げるか限定生産にしてくんないと。次はそうしてください。(『週刊SPA!』09年5月)


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ランボルギーニ ガヤルド

日付/2009.11.17




 今回試乗したのは、なんとビックリ、新生ランボルギーニ初の後輪駆動モデル「LP550-2バレンティーノ・バルボーニ」! バレンティーノ・バルボーニ氏とは、長年ランボのテストドライバーを務めた功労者だというが、バレンチノの4バルブみたいな感じで、とてもイタリア的にイカしたサブネームだ。
 それより2駆。2駆というのが素晴らしい。ガヤルドがつまらない最大の理由のひとつは、安定性に優れるフルタイム4WDにあった。狂気のスーパーカーが安定しててどうする! そんなに命が惜しいのか! ならベンツにでも乗ってろ! だったのである。
 しかし、バレンティーノ・バルボーニは違う。550馬力の後輪駆動なのだ。おかげで車両重量は約200キロも軽い1380キロ。車検証上は1580キロだが、かなり危険な匂いがする。

 ゆっくり走っている分には、スタンダードな4WDモデルと大きな違いは感じられない。相変わらずe-ギアはいまひとつスムーズさに欠け、ボディ全体が重くて固いフィーリング。
 ほぼ新車とはいえ、サスの固さは常識を超えている。カーボンセラミックブレーキは制動力の立ち上がりがやや遅く、初期モデルに比べるとかなりマシだがそれでも少しカックン気味。全般に好きになれないタイプだ。
 が、試しに1速でアクセルを思い切り踏み込んでみたら、強烈な爆音とともにリヤタイヤが激しくホイールスピン。ほとんど「テロか!?」くらいの騒ぎで、ランボルギーニらしい狂気が炸裂するのが確認できた。これはイイ! これをCORSAモードでやったらその場でスピン、クラッシュだ! このリスクこそスーパーカー。男を感じる瞬間だ。
(『NAVI』09年9月)


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マセラティ グラントゥーリズモS

日付/2009.11.17



 築地の撮影現場で初めて対面した日本のナンバー付きのグラントゥーリズモSは、強烈な存在感を放ちつつも、不思議と場外市場の空気に馴染んでいた。私が「洗練されたイタリアのオロチ」と呼んでいるその顔つきは、(大蛇+サメ)÷2というところで、極めて獰猛かつ優美だが、明らかに生き物的であるが故に、三枚に下ろして食っても美味そうだからだろう。
 右のバドルを1回引いて1速に入れ、軽くアクセルを踏んで発進。おおお、なんというスムーズな発進だ。430スクーデリアを思い出すぜ。それでいてアクセルレスポンスは適度にとっぽく、思い描いたよりもほんの少しだけ加速が先行して、ドライバーの興奮に応えてくれる。
 たぎる血を抑えて、まずはシフトパターン「オート・ノーマル」にてゆるゆる流す。ほとんどトルコンATと遜色ないラクチンさじゃないか。首都高に入るとボタンを押してマニュアルモードに。さらにトンネル突入と同時にスポーツモードのスイッチを押した。
「コオオオオオオオオオ~」
 来た、爆音スイッチ! エクゾーストシステムのニューマチックバルブが開放されてサウンドが激変、瞬時に世界がモナコのトンネル内に変わる。さすがにフェラーリよりは若干控え目なれど、跳ね馬の心臓を譲り受けし者の高貴な雄叫びが壁にガンガン反響して全身に鳥肌が。ヤバイ。(『NAVI』08年10月)


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フォルクスワーゲン ゴルフGTI

日付/2009.11.15



マリオ高野の下流試乗記

 まさに全能なる神のようなクルマです。ダサかったはずの外観はわずかなローダウンと、グリルに赤いラインを付け足しただけで高性能車オーラを発散させるところは、欧州過激ハッチの王者6代目の伝統によるものでしょう。退屈でツマラナイと称される内装とて、その高精度感に溢れたスイッチの操作フィールを味わえば、これぞ伝統の質実剛健さとしてほおずりしたくなります。
 先代モデルでも堪能できた、凡庸な腕のドライバーでも、まるでプロ級の腕になったかのように錯覚させてくれる鉄壁の安定感を伴ったハンドリングはさらに鋭さを増しておりますが、電子制御デフのおかげでコーナーの出口ではより早く、より自信満々にアクセルを全開にすることができるのが痛快です!
 最先端をゆくパワートレーンの洗練度にもさらなる磨きがかかり、加速と快音のためにガソリンを1滴たりとも無駄にせず使い尽くしているかのような高効率フィールには、エコカー的な満足感さえ伴うようになりました。
 しかも燃費は、メタクソに踏み倒した区間を含めてもリッター12kmを記録。乗り心地は硬めながらも、余裕で家族を納得させられるレベルです。欠点や死角はほぼ皆無の全能ぶりに、ただひたすら尊敬の念を抱くばかりでありました。


MJ参謀長の見解
 こういうクルマを神と崇めるというのは、高性能洗濯機に土下座しているようなものだ。
 一般的なクルマ好きが「いいクルマだ」と感動する要素には満ち満ちているが、それ以上のものではない。ゴルフは、一番下のグレードが最良であろう。


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フェラーリ ENZO

日付/2009.11.07




 エンツォは快適かつ地上最速、という間違ったイメージができつつあるが、快適ってのはF40や50に比べればの話で、あれだけロードノイズが入ってくる市販車はそうない。
 エンツォの何が恐ろしいか。
 実を言うと、車両感覚です‥‥。どこまで幅があるのか、いまだによくわからない。
 エンツォに乗ると、東京オートサロンに出てるような車高激低でエアロバリバリのチューニングカーの車幅を、2・5ートルにまで広げたみたいな感覚なんよ。でさ、今にも地面に付きそうなエアロが、全部ウルトラ高価なカーボンでしょ。そんなもんで公道走れないでちゅよ普通!
 仮にエンツォを買ったとしても、乗るのは1年に4回くらいで十分。あとは飾っとくとか、レーサーに運転させて、それを助手席で楽しむとか、サーキットのコースサイドで眺めるとか、そういうのがいいと思う。見て自己満足してたほうがいいよ! 運転すると怖いから。

 で、そこを押して運転するとですね、核融合パワーのように加速します。その感覚はひたすら情熱的で爆発的なもので、とても興奮するけどかなり疲れます。いや、一瞬フル加速すればもうお腹いっぱいって感じです。
 操縦性は?
 限界まで攻めたことがないのでわかりません‥‥。そんなことはできないし、しちゃいけないよ! 人の道として。
 確かにエンツォはF1マチックだから、AT限定でも乗れる。でも、運転しやすいなんてのはまったくの誤解で、ユーザーのことなんかほとんど無視して、自らの理想のみを追いかけて作られた超ワガマママシンだ。他のスペチアーレ同様に。
 そこが最高です、エンツォ様。


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