
575Mのイモビライザースイッチを押し、「ピン、ピン」というあの耳障りな音を確認してスターターオン。
「キュルずごーおごおおおおおお」
あり? ずいぶんワルそうな音やんけ。ちょびっとブリッピングしてみっか。
「ぎゅろん! ぎゅろん!」
むむむむむ。インド象の唸りのごとき野太いエクゾーストノート。オレはやや覚醒した。これは本物のフェラーリかもしんない。
ミッションはF1システム。550マラネロはラクチン旦那スーパーカーのくせにクラッチが重くて往生したが、これはホントにラクチンだ。
右のパドルを引いて1速に入れ、ゆっくりアクセルを踏む。
おおっ。クラッチミートがメチャうまい。355や360ではどこかシロートっぽい発進だったF1システムも、ついに円熟の域に達したのか。
そろりと芦ノ湖スカイラインに乗り出し、じわっとアクセルを踏み込んだ。
「ずごわああああえー!」
どひー!
2000rpmちょいから軽く踏み込んだだけなのにウィリー寸前!
このインド象のごとき大排気量12気筒の低速トルク感は、池沢さとし先生のテスタロッサ以来かも。私が乗ってた512TRも、2000rpmくらいから踏み込むだけで助手席の人間が悲鳴を上げたものだが、でもあれですら、ここまでの低速トルクはなかったように思う。
恐らくドライブ・バイ・ワイアのセッティングだろうと思うんだけど、ハーフスロットルからちょっと踏み込んだだけで燃料ブバッと吹いてトルクがドカンと出て、ケツがアウト側にバビーン! と跳ね上がる。そこでASRの制御が入ってケツは収まるので一安心だが、OFFにしたら飛ぶなこりゃ。
これ、いいかも!! (2002年 ROSSO)






